過払い金請求とは?知っておきたい知識やリスクを徹底解説

過払い金請求とは?知っておきたい知識やリスクを徹底解説

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このページでは、テレビやラジオで頻繁に取り上げられている「過払い金請求」について知っておきたい知識や、気になる方が多いメリット・デメリットを徹底解説します。

過払い金請求に強いおすすめの事務所も紹介しているので、依頼先の事務所をお探しの方は参考にしてください。

そもそも過払い金請求って何?

過払い金請求とは、過去に払い過ぎていた利息を取り戻す手続きです。過去に支払いすぎていた利息のことを過払い金といい、利息制限法の上限金利(15%~20%)と出資法の上限金利(29.2%)の差分であるグレーゾーン金利で取引をしていた場合に発生します。過払い金は本来、支払う必要がないのに貸金業者に支払い過ぎたお金です。

では、なぜこのような過払い金が発生したのでしょうか?その原因は、ある法律があったからです。

過払い金が発生した原因とは?

過払い金が発生する原因となった法律をみなし弁済といいます。みなし弁済とは「貸金業法第43条の条件を満たし、かつ出資法に違反しない範囲の金利の場合は、利息制限法の上限金利を超える金利も認める」というものです。その条件とは以下のものです。

  • 貸金業者としての登録がされていること
  • 貸付金利の利率や、契約した年月日、返済期間と回数、貸付金額、返済の方式、貸金業者の商号を一枚の契約書に記して交わしていること
  • 貸金業者が返済金を受け取った際すぐに、返済金を確かに受け取ったという書類の受領証書を引き渡していること
  • 借金をした人が借金の金利を「金利として認識しながら」支払っていること
  • 借金をした人が借金の金利を「任意で(自分の意志で)」(詐欺、脅迫、あやまりや間違いではなく)支払っていること

みなし弁済は現在では廃止されている法律で、簡単にいえば「一定の条件を満たしていれば、利息制限法の上限金利(15%~20%)を超えても出資法の上限金利内(29.2%)であれば金利をとっても問題ない」というものです。

本来であれば、貸金業者は利息制限法の上限金利で貸付けをおこなわなければならないのですが、みなし弁済により、上限金利が高い出資法での貸付けが許されていました。

しかし近年、出資法の上限金利が改正され利息制限法の上限金利と同じ20%になりました。そこで問題になったのが過去に出資法の金利で支払っていた利息はどうなるかということです。

出資法が改正される前に支払っていた、利息制限法の上限金利(15%~20%)を超える金利については、「過去に多く支払っていた利息は、元本に充当される」と裁判所で認められました。

この判決により、グレーゾーン金利(15~20%を超える金利)で支払っていた利息を、法律で定められている金利(15~20%)で計算しなおす引き直し計算をして、元本を超えた利息分は過払い金として、返還請求ができるようになりました。

以上のように、貸金業者が利息制限法の上限金利を超える高い利息をとっていたことから生まれ、法律の改正により貸金業者から払いすぎていた利息を取り戻すことができるようになりました。

グレーゾーン金利とは?

グレーゾーン金利とは簡潔にいえば、利息制限法と出資法というお金に関する法律の上限金利のが異なることにより発生した金利帯(差額)です。貸金業者は利息制限法の上限金利(15%~20%)で貸付をしなければいけませんでした。しかし、利息制限法の上限金利(15%~20%)を超える金利で貸付をした場合についての罰則がなかったため、多くの貸金業者は出資法の上限金利(29.2%)で貸付をしていました。

利息制限法で決まっている上限金利

お金の貸し借りに関する利息の契約などを、利率の方面から規制を決めた法律です。利息制限法で決まっている上限金利とは、「借金10万円未満は年利20%」「借金10万円~100万円未満は年利18%」「借金100万円以上は年利15%」です。

出資法で決まっている上限金利

出資法の正式名称は「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」です。簡潔にいえば、貸金業者の規制を目的とし、高い金利などを取り締まる法律です。平成22年(2010)6月まで出資法の上限金利は「29.2%」となっていました。(現在では法律改正により上限金利は20%)

どんな人が過払い金請求できるの?

借金をしていた人が全員過払い金請求をできるわけではありません。下記に該当する人は過払い金請求ができる可能性が高いでしょう。

  • 利息制限法で定められている上限金利(15~20%)を超える金利で返済をしていた
  • 2008年以前に取引を開始した、完済または返済中の借金がある
  • 完済の場合、最終取引日から10年以内

過払い金請求には時効がある

前述のとおり過払い金請求は、過去に支払い過ぎていたお金を取り戻す手続きですが、過払い金請求の権利には消滅時効があり、借金を完済した日(最終取引日)から10年経つと手続きができなくなってしまいます。

つまり、過払い金が100万円以上あったとしても、時効が成立してしまうと1円も取り戻すことができなくなります。実際に時効で過払い金が消滅してしまったという方はたくさんいます。

また既に取引履歴の開示請求をおこなっていても、実際に請求しない限りは時効は中断しませんので、過払い金の額を計算したまま放置していても最終取引から10年が経過すると過払い金が請求できなくなります。

過払い金請求の時効は迅速に動くことで簡単に回避することができます。借金を完済している方は、1日でも早く司法書士や弁護士などの専門家に相談してください。

過払い金請求のメリット・デメリットは

過払い金請求をするメリット・デメリットはどんなものがあるのでしょうか?

過払い金請求のメリット

最大のメリットは払い過ぎた利息が戻ってくることでしょう。 また現在、返済中の方は返済がストップします。過払い金請求でもどってきたお金を現在の返済にあて、借金がなくなる可能性があります。

過払い金請求のデメリット

完済している場合大きなデメリットは特にありません。あえてあげるとすれば過払い金請求をした貸金業者から、再度借り入れをすることやクレジットカードをつくることが難しくなります。これはブラックリストにのるわけではなく、貸金業者が自社で事故情報を持ち続ける傾向にあり審査が通りにくくなるためです。

返済中の場合ですが、完済の場合と同様に過払い金請求をした貸金業者から、再度借り入れをすることやクレジットカードをつくることが難しくなります。また、過払い金請求をした結果、残りの借金がなくならなかった場合、契約の見直しとなり任意整理をしたこととされブラックリストにのってしまいます。

デメリットではありませんが注意点として、総量規制が原因で利用者が減り、過払い金請求による過払い金の支払いで多くの貸金業者が倒産していっている現状です。倒産してしまうと過払い金請求ができなくなるうえ、和解成立後だとしても過払い金が支払われなくなります。

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過払い金請求は専門家依頼すべき!

それでは、実際に過払い金請求を行う場合、個人で行うのと、専門家に依頼をするのとではどちらの方が得なのでしょうか。まず、過払い金請求には難しい専門知識や貸金業者との交渉等高度なテクニックが必要となります。そのため、経験や知識がないと貸金業者のいいなりになってしまう恐れがあります。

個人で過払い金請求をおこなった場合のメリットは、費用を最小限に抑えられることです。専門家に依頼すると着手金や基本報酬、成功報酬などの費用がかかります。そのため、専門知識や貸金業者との交渉能力がないと、過払い金の返還額も少額になったり、時間がかかったりと本末転倒になるリスクが実際に生じています。絶対に家族には知られたくないと思っていても判明してしまったケースもあります。

過払い金請求のおおまかな流れは「貸金業者から取引履歴を取り寄せる→過払い金を調べるための引き直し計算→貸金業者へ過払い金請求→貸金業者と交渉し、過払い金の返還額を決める→交渉後、まとまらなければ裁判所へ訴訟をする→過払い金の返還」このように、個人で過払い金請求をする場合では、作業が多くなり時間と手間がかかります。さらに、話し合いでお互いの同意が得られない場合は、裁判をしなければなりませんので、裁判所に行ったり、必要な書類の作成など多大な時間と手間が必要になります。

悪意のある貸金業者は過払い金の返還を1日でも遅らせるために、取引履歴を取り寄せても返送するまでの時間をかけてきたり、個人の対応を後回しにするケースが多いです。貸金業者もプロです。過払い金請求の対応には慣れており、貸金業者は1円でも安い返還額を提示してきます。そのため、ほとんどの場合、本来発生している過払い金よりも少額になってしまいます。そこで、個人でのデメリットを最小限に抑え、理想の過払い金請求を成功させる方法が、専門家への依頼です。

専門家に依頼した場合、過払い金がいくら発生しているか調べるための取引履歴を貸金業者から取り寄せたり、過払い金の返還額を出すための引き直し計算や、貸金業者と返還額を確定させるための話し合いや裁判など、すべてのやり取りをおこなってもらえます。また、仕事などで忙しい時でも、専門家が窓口となり手続きをすることで自宅に貸金業者から連絡がいったり、書類などが送られることもないので、家族にばれる心配もありません。仕事やプライベートに支障をきたさずに「安心して」過払い金請求を行えます。

さらに、借金を返済中の方は、専門家に依頼することによって貸金業者と依頼者の間に専門家が入るため、貸金業者が依頼者に取り立てをおこなうことができなくなります。返済が遅れてしまって貸金業者からの取り立てに悩んでいる方にとっては大きなメリットです。専門家に依頼した場合は、交渉次第で過払い金についた年5%の利息も回収できる可能性があります!

以上のように、わずらわしい過払い金請求手続きを全部任せ、時効前に最大限の過払い金を取り戻し、家族には内緒でプライベートを充実させ、さらに利息まで取り戻せる可能性がある、「専門家への依頼」。一度、検討する価値はあるのではないでしょうか。過払い金請求の「肝」は時間との勝負です。

監修司法書士 計良 宏之

執筆・監修協力

認定司法書士/計良 宏之

東京司法書士会所属 第8484号
簡裁訴訟代理等関係業務認定会員 第1201114号

日本リーガル司法書士事務所の代表司法書士。過払い金請求や債務整理をはじめ相続や各種登記など、幅広い業務に精通している司法書士。過払い金請求・債務整理専門サイトの監修をする際は、普段聞きなれない専門用語や法律用語を分かりやすく説明することを心掛けています。

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    ※1 2009年8月掲載
    ※2 過払い金、債務整理含む借金問題

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